日記

半年くらい積んであった『鋼の錬金術師』を読み耽ってしまい、若干の寝不足である。小さい頃に六巻まで読んで以降、一切触れることのなかった作品だが、敬遠していたわけでもないのにどうしてこうも読まずにいたのだろうと自分の感度の低さが少しだけ嫌になる...

朝の電車は元気に満ち溢れているので、ダラダラとスマホを見たりして時間を潰すことなく、立ったままでも集中して本を読むことができる。なんなら土日休日も含んだすべての時間の中で、もっとも読書がはかどる時間であるといってもいいくらいだ。 先週くらい...

スーパーで夕飯にカツオを買う。 以前、楽しみに買ったカツオを紛失するという大失態を犯したので、レジ袋に入れたのを二度確認し、その重みを感じつつ帰路に着く。信号待ちの時間には改めて袋の中を覗き込み、改めてカツオがそこにいることを確かめる。 適...

車窓の外は、すでに薄暗くなっている。 お仕事で、昼すぎから一時間ほどかけて場所まで行く。結構気の張る仕事だったから、帰りの電車ではそれなりの達成感と疲れでぐったりとしてしまう。 席に座ってちょっとぼーっとしていると、車内放送が「次は○○」と...

帰り道にベトナム料理屋に入る。長時間労働をしたわけではないが、どうにもぐったり疲れていて、自炊をする気分にならなかったのだ。 労働の疲れってなんなのだろう、と思う。朝から晩まで野球をしていたときも、一日中図書館にこもっていたときも、この疲れ...

ふと、この日曜日を予想外の方向へ開いていきたいと思った。 午前中は家でちょっと作業をして、午後は喫茶店で本を読んだ。数年ぶりに読み返す『罪と罰』が記憶していた以上に面白く、かつほとんど内容を覚えていないことにしょげた。駅ビルを冷やかし、何も...

夕飯を食べ終え、食休みに夜道を歩いていると、車一台通れない細い道の奥から人影がぬっと現れ、ものすごい勢いで僕に向かって直進してくる。 その速さたるは、まるでパラパラ漫画を見ているごとし。ダンス会場かと思えるような小刻みな足音が、夜の闇の中で...

急に寒くなったので、クローゼットの奥から電気ストーブを引っ張り出す。一年前に買ったかなりの安物だが、安いストーブ特有の直接的な熱さが冬の朝にはちょうど良い。「部屋全体をじんわり温める」みたいな文句を売りにした高級ストーブは僕にはまだ早いと思...

自転車に乗って、近くのちょっと大きな街に行く。 といっても、まずはレンタサイクルが停められている場所まで歩いて行かなければならない。東京でひとり暮らしを初めて一年近く経ったくせに、「まあ今度でいいか」と自転車を買うのを先送りしている。 借り...

金曜から二晩うちに泊まっていた人がおり、その人の帰路を駅までついて行った。 この人はおおよそ毎週末うちへやって来る。鍋を火にかけていない限り私は駅まで出向き、駅で落ち合い、駅で別れる。私はその人の心身がいつも心配で心配でたまらない。だから改...