日記の瞬間

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2025年4月2日

先週の日記

ほぼ毎朝、職場の最寄り駅で姿を見かける男性の後ろ姿を、家の最寄り駅で視界に捉える。読売ジャイアンツのリュックサックを背負った、僕とほぼ同年代と思しき男性。

同じ電車に乗って通勤をしているのだろうとは思っていた。いつもエスカレーターで僕の前方に立っているのだが、歩いて会社に向かっているといつの間にか姿を消している。ぬっと現れ、ぬっと消失する若い男性。

まるでそのエリア内でしか存在できないRPGの村人のような存在として認識していたから、いつもとは異なる場所でその姿を認めると、ゲーム制作者のお茶目を見つけたような高揚感がある。

今日は、いつも見かける職場近くのエスカレーターに、彼の姿を見つけることができない。確かに同じ電車に乗っていたはずなのに。僕の前方で、巨人軍のリュックサックを背負っているはずなのに。

もしかすると、村人の居場所が変わるような一大事が起こっていて、つまりはゲームのステージが新たな段階に入ったのかもしれないな、と思ってみることにする。

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日記の瞬間とは?

誰に繋がるかわからないドキドキハラハラの日記リレー企画、【日記の瞬間】。

日記を書こうと決めて一日を始めると、今まで見過ごしてきたいくつかの瞬間が、書くべき日記の題材として生き生きと立ち現れるような感触があります。

この企画は、多様な「日記の瞬間」を、それぞれの人が知り合いに依頼することで連鎖させていく試みです。

「日記の瞬間」が蓄積されることで、私たちの生活は繊細な「気づき」に満ち溢れていくはずです。

Note(26時の談話室)

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