日記の瞬間

26
2026年3月26日

先週の日記

横断歩道を渡っていると、ちょうどその真ん中くらいで青信号が点滅をはじめる。それなりに大きな交差点で、右折待ちのトラックの圧も感じる。

特に何の考えもなしに、ちょっとだけ走るような動きをとってみる。が、冷静になって自分を見直してみると、別に歩行のスピードが上がっているわけではない。前を歩いている男性との距離はまったく変わっていない。

無意識のうちになされた日常的な動作だが、ふと、これは欺瞞だったのだなと思う。足取りを早めることが目的なのではなく「いかにも急いでますよ」と見せかけるための動き。「急いでいるのだから文句を言わないでね」とプレッシャーをかけるような態度。

少しばかり抽象的に考えていくと、交差点の真ん中でガチャガチャと足を動かしている自分が、理想の自分からかけ離れた存在であるように思えてくる。僕は小市民的な悪に加担しているのではないか。

渡り終える頃には赤信号になっている。

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日記の瞬間とは?

誰に繋がるかわからないドキドキハラハラの日記リレー企画、【日記の瞬間】。

日記を書こうと決めて一日を始めると、今まで見過ごしてきたいくつかの瞬間が、書くべき日記の題材として生き生きと立ち現れるような感触があります。

この企画は、多様な「日記の瞬間」を、それぞれの人が知り合いに依頼することで連鎖させていく試みです。

「日記の瞬間」が蓄積されることで、私たちの生活は繊細な「気づき」に満ち溢れていくはずです。

note(26時の談話室)

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