日記の瞬間

14
2026年3月14日

先週の日記

「蘇生はどうやるんですか?蘇生は?」

30歳くらいの男性が質問をしている。聞いているのはおそらくは一、二個くらい年上の先輩で、ちょっと格好つけたように間をあけて回答する。

「蘇生は……長電話」

「長電話で蘇生するんですか?」

何かを聞き間違えているのかもしれない。「蘇生」という言葉はそこはかとなくシリアスでのっぴきならない事情を想像させるが、好奇心に満ちた目をして尋ねる後輩の話しぶりは、不機嫌な彼女の宥め方を教えてもらっているかのようだ。関係性の修復を「蘇生」と呼んでいるのだとしたらなかなかユニークだ。

先輩が、長い間を空けて答える。

「……長電話で、蘇生する」

そう言って、先輩はその場を離れる。「えー」と驚いた表情を浮かべながら、後輩がそのあとを追いかける。


この前の飲み会は初対面の組み合わせがあったからか、4人中2人がお土産を持ってきていた。気の利かない僕はそんな発想など浮かばずに「やっちまった」という顔をすることでその場を乗り切ったのだが、僕と同じく手ぶらでやってきた元・職場の先輩によると、お返しをしないことは贈与論的には「負債になる」のだという。いずれは家を明け渡すことになるらしい。

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日記の瞬間とは?

誰に繋がるかわからないドキドキハラハラの日記リレー企画、【日記の瞬間】。

日記を書こうと決めて一日を始めると、今まで見過ごしてきたいくつかの瞬間が、書くべき日記の題材として生き生きと立ち現れるような感触があります。

この企画は、多様な「日記の瞬間」を、それぞれの人が知り合いに依頼することで連鎖させていく試みです。

「日記の瞬間」が蓄積されることで、私たちの生活は繊細な「気づき」に満ち溢れていくはずです。

note(26時の談話室)

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