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2024年9月21日

【運営の日記】花束を抱えて歩く

(うっかり)残業をしてしまい、疲れた身体でトボトボと家へと歩く。帰り道に食べた家系ラーメンが腹にずっしりと溜まっている。

家の近くまで来て、狭い小道を抜けると、五十歳くらいの男性が僕の前を横切る。よれよれのスーツを着て、だらっと肩の垂れた感じはお世辞にもカッコいいとはいえない。

しかしその右手に、二輪の花を握りしめているのを確かに見た。大切そうに花束を顔の前で掲げて歩いている。左手にはお菓子だろうか、良いお店で買ったらしい立派な紙袋を持っている。

ちょっと早歩きをして、その男性を追い抜いてみる。いかにも自然な様子を装って振り向いてみると、さっきは疲れたサラリーマンのように見えた横顔が、希望に満ちた素敵な笑顔を浮かべていた。

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