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2025年6月10日

【運営の日記】試合からおさらばするのだ

昼休み。気分転換に外を散歩していると、やんちゃな風貌の男二人が、僕のことをじっと見てにやにやと笑っている——

ように見える。ガードレールに腰を下ろし、僕の歩行に視線を合わせる様は、まるで自動で照準の合う機関銃のようだ。その視線を感じながら、ゆっくりと二人の前を通り過ぎる。後ろは振り返らない。

この目つきは、中学生くらいのとき、何かをやらかした僕に向けられた視線と同じだ。あれは何をやらかしたんだっけ——多分、野球でエラーでもしたのだろう。いや、牽制に引っかかったとかかもしれない。攻撃はまだ続いていて、選手たちの多くはバッターに声掛けをしているが、ベンチの後ろの方に座っている何人かは、牽制でアウトになった僕を見てにやにやと笑っている。

監督が僕と同ポジションの選手に「準備しとけ」と言う。グローブを手に取り、勢いよく彼はベンチを飛び出していく。まだ四回とかなのに、僕はこの試合からおさらばするのだ。

嫌な記憶が引き摺り出されてしまった。ミスをして代えられる屈辱よりも苦しいことは、未だかつて経験したことがない。

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