【運営の日記】秋を食らう

秋は一瞬で終わってしまうらしい。気持ちの良い空気を浴びて帰路に着く日々もあと少しで終わり。

ということは、秋刀魚の季節も終わってしまう。心なしか小さくなったスーパーの秋刀魚を眺めて、別に特別安く売られているわけでもないのに、この機を逃してはいけないと思う。人生の中でときおり訪れる「あ、これ決断の時だ」と悟ってしまう瞬間の、めちゃくちゃライトなバージョン。

一尾250円の秋刀魚を買って、涼しい道を帰る。秋って無性にエモーショナルで、些細な選択もドラマチックに感じてしまう。今日、秋刀魚を買わなかったら、一生後悔に苛まれていたかもしれないと思う。

アパートの部屋に着いて、パスタを作る。トマトと秋刀魚のスパゲティ。YouTubeで作り方を復習しながら、秋刀魚の頭を落とし、肝を取り分け、小骨を取り除いていく。今日中に映画の編集を少しでも進めておきたいが、とにかくまずは秋を食らわなければならない。

めちゃくちゃ美味いパスタができた。俺って本当に料理の才能があるんじゃないかと思ったりもする。が、少し食べ過ぎた。食休みでベッドに横たわると、あらゆる気力が吸い取られてしまう。今日はこれで店じまい。