最近、理由は定かではないのだが少し残業が続きがちで、退勤後の自由な時間をなかなか見出せず、機械人間のように「ご飯を食べる」「風呂に入る」「寝る」の三段活用で一日が終わってしまっていた。
それはそれで無駄な時間を廃そうとするから、一概に悪いとは言えないかもしれない。ご飯中にスマホをダラダラと眺めるのが勿体無く、邦ドラマの一話を見ながら白米を掻き込むのも、まあ充実の一つの形態なのだろうとは思う。
とはいえ、日常の中に「ズレ」がなくなってしまったら(=日々が単調な充実さに覆われてしまたら)、気がつけば途方もない時間が経ってしまった、ということにもなりかねない恐れもある。


というわけで、積極的に少し早めの退勤を決めて、いつもとは違うことをしてみようと思う。
で、たどり着いたのは家近くのサイゼリヤ。まあ、日常といえば日常だが、とはいえ平日の夜にサイゼリヤに来た記憶はないから、これはこれで「ズレ」なのだろうと自分に言い聞かせ、安い白ワインを頼む。少し寒い夜は、お酒を飲んで感傷的な気分に浸りたいものなのだ。
生ハムとフォカッチオ。それに小エビのサラダとミラノ風ドリア。小贅沢としては文句のつけようのないラインナップをつまみながら、読みかけになっている新書をめくる。隣の席には、同じく仕事帰りらしい男性が、村上龍の小説を読んでいる。
体調の問題なのか、すぐに酔いが回ってしまった。一千円そこらの会計を終えて帰路に着くと、狙い通り感傷的な気分になって、昔好きだった曲を聴いてそのエモーションに拍車をかける。
風呂に入るのもめんどくさくなって、十時過ぎにそのまま就寝。深夜の三時くらいに目が覚めてしまい、どうしたものかとベッドの中でもじもじしていたら、案の定二度寝をしてしまい、結局九時間くらい寝てしまったことになる。まあ、そういう日もある。


コメント