今日は本を読む日。ということで喫茶店をはしごして津村記久子の『この世にたやすい仕事はない』を読む。
つもりだったのだが、朝、今日はいい日にするぞと誓ってベッドから起き上がると、我が家の背の高い方の本棚がいつも以上に軋んでいることに気が付く。側面の板が外側に反り、取り外し可能な棚板が下に落ちてしまっている。
ズラッと並んだ『ONE PIECE』はまるで大波に攫われた船上の荷物みたいに傾き、そのせいでバランスを崩した組み立て式の本棚がその結合部で痛々しく曲がっている。これが人間の身体だったならば、間違いなく大きな悲鳴をあげているだろう。
これはほとんど崩壊間際、ということで、(一時的な)同居人に手伝ってもらいながら本を全部取り出して、再びバランスを取ろうと試行錯誤してみる。しかし板自体が取り返しのつかないほど曲がってしまっていて、どれだけ真っ直ぐに立ててみてもどこかで欠陥が生じてしまう。
確かに本を詰め込みすぎた。それにこの本棚の設置場所も悪かった(なにせ壁に取り付けられたハンガー掛けのせいで棚の背の部分をピッタリと壁につけることができないのだ)。
けれども新しい本棚を買おうとすると、やはりそれなりのお金も手間もかかる。なんだかなあ、と今月のクレカの使用料金を見てみると、もう今月に使っていい(と自分で決めた)予算は若干超過しており、ここにでかい買い物を上乗せする気にはどうもなれない。
そういうわけで、引き抜いた本をズラッと地面に並べたまま、でもこのままうだうだと一日を終えるわけにはいかないと、あえて中途半端な状態で外出をする。今日は本を読む日と決めていたのだ。本棚についてはまた明日以降にしっかりと考え直そう。
個人経営の喫茶店とベローチェをはしごして『この世にたやすい仕事はない』を読む。締めにフレッシュネスバーガーに立ち寄り、フィッシュアンドチップスをつまみながら290円のビールを飲む。ものすごく満足度が高い。
気持ちよくなって、近くの図書館で分厚い本を二冊借りて帰る。扉を開けると、床上に無造作に並べられた本の山。結局小説も読み終わらなかったのに、なんで借りてきてしまったのだろうと思う。
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