車窓の外は、すでに薄暗くなっている。
お仕事で、昼すぎから一時間ほどかけて場所まで行く。結構気の張る仕事だったから、帰りの電車ではそれなりの達成感と疲れでぐったりとしてしまう。
席に座ってちょっとぼーっとしていると、車内放送が「次は○○」と言う。家の最寄り駅だ。時刻は17時前。直帰もギリ許される時間である。
しかし悲しいのは、午前にノロノロと仕事をやってしまったせいで、諸々の積み残しがあることだ。このまま帰路につき、いつもの帰宅時間では閉まっている喫茶店にでも行きたい——。
もうすっかり冬で、こんな時間でも外は十分薄暗い。その暗さがまた帰りたい気持ちを掻き立てるのだが、このまま帰ったら心に重しを残したままになってしまう。
そういうわけで、泣く泣く最寄り駅を見送って職場まで戻る。
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