昼休み、ランチを探して職場近くを徘徊していると、いつもは長蛇の列になっているタイ料理屋がやけに空いている。お昼時を大きく外しているわけではないので、何があったのかと訝しみつつ、並ぶ必要のないタイミングなんて滅多にないだろうと、テイクアウトでグリーンカレーとガパオライスを注文する。
久々に食べたが……めちゃくちゃ辛い！
理由は定かではないが、仕事中はやけに辛いものが食べたくなり、しょっちゅう激辛の麻婆豆腐やら汁なし担々麺を食べてしまう。今日も「辛さへの欲求」は確かにあって、それゆえにグリーンカレーを頼んだのは事実なのだが、ガパオライスもこんなに辛いとは思ってもみなかった。
いや、確かに昔頼んだことはあるのだ。そんで「辛いなー」と思ったことだってある。けれども記憶の中の辛さと、今感じている辛さは鮮明さがまったく違っていて、口に入れた側から痛みが舌全体を覆い、ほとんど噛むこともできずに飲み込んでしまう。いや、うまい。文句のつけようもなくうまい。うまいのだが、ただ、ちょっと辛すぎる。
胃のなかが、燃えるように熱い。明日の腹痛が約束された爆弾を胃の中に隠して、午後の仕事も頑張った。
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