近くの繁華街に向かう道すがら、警官らしき制服と帽子を身につけた男性とすれ違う。最初はなんとも思わなかったが、よく見るとその男性は自転車を漕ぎながら制服を羽織り、片手をハンドルから離してボタンを留めている。器用な動きだが、おそらくは警官ではない。
すると、20メートルくらい間を空けて、似たような制服を着た女性がやってくる。彼女も自転車を漕いでいる。続けて今度は制服を着た男性。三人とも警官らしき格好をして、自転車を漕いでいる。
ただ、全員とも本当の警官ではないだろうと思う。男性が披露した自転車上での曲芸もその理由だし、そもそも直感的に、三人とも警官らしい緊張感が滲んでいないと思ったのだ。
よくよく考えると、最近の警官は自転車に乗るときにヘルメットを被るから、その意味でも彼ら・彼女らは警官ではないのだろう。僕自身、警備員も警官も鉄道員も見た目の区別がまともについておらず、全くもって別の可能性もありうるわけだ。
とまあ、微妙に間を空けて自転車を漕ぐ三人の素性はわかるはずもないが、そのことが少しだけ気がかりな週末を過ごした。喫茶店で本を読んでいると、唐突に彼らの姿が頭の中に浮かんでくる。
帰りに豆腐屋で豆腐を買ってみた。普通の絹ごし豆腐と油揚げ、そして枝豆を練り込んだちょっとだけ高級な豆腐。鰻丼が400円くらいだったから、それも合わせて購入する。
消費期限の近づいた豚肉を使って肉どうふを作り、本当に鰻が入っているのか訝しみつつ、弁当の蓋をあける。何やら身が乗っている。それが鰻であるかの確信が持てないことは少し悲しいが、甘辛いタレの染み込んだお米は美味しかった。


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