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2024年9月30日

【運営の日記】1,900円のハンバーガー

休日なので昼近くまで惰眠を貪り、目が覚めてからもしばらくベッドの上でダラダラと時間を消費していたが、ふと急に焦燥感に襲われ起き上がる。

今日は何も予定がない。しかし午前のうちから外出し、日々の中に繰り返しでないその日だけの瞬間を導入するのだ。そして夜には程よい疲労とともに眠りにつくのだ。

というわけで、近くのコメダに向かう。近くまでやってきて、ふと思う。コメダなんぞ、今まで何度も来ている。これは単に部屋に引きこもっていないだけで、これまでの休日の焼き直しではなかろうか。

そういえばコメダの近くに、前から気になっていたハンバーガー屋がある。調べてみると評価も上々。朝っぱらから(もう昼だが)ガッツリと肉を食らってやろうではないか。チェーン店との違いを見せつけてもらおうではないか。

店前までやってきて、少し怯む。というのも、アボカドバーガーが1,900円もするのである。ひとりでふらっと食べにきたランチにしてはちょっと値が張る。

しかし今日はこれまでの一日とは違う一日なのだ。たとえ1,900円のハンバーガーに満足できなくとも、「1,900円のハンバーガーがイマイチだった日」として今日は記憶されることになるだろう。そう、記憶されるということが重要なのだ。

店前を数分うろちょろしてから、意を決して店に入る。カウンターが数席、テーブルが二つと小さな店内。夫婦だろうか、厨房では40歳くらいの男性と女性が忙しなく働いている。女性に声をかけアボカドバーガーとグレープフルーツジュースを注文すると、案内された四人がけのテーブル席に腰を下ろす。

電話がひっきりなしにかかってくる。ウーバーの配達員らしき人も五分おきくらいにやってくる。ここはイートインよりテイクアウトがメインなのかもしれない。1,900円のランチと考えるとどうせなら店内で食べたいような気もするが、たしかにハンバーガーはどこかの公園でレジャーシートを敷いて、犬がフリスビーをくわえているのを見ながら食べたいような気がする。

しばらく待って、ついにハンバーガーとご対面。綺麗に写真を撮りたい気持ちもあるが、ひとりの身でうだうだとこだわって写真を撮るのも違う気がして、記録画像としてのシャッターを切る。

かなり分厚い。これは頬張るべきものなのか。

基本的にはマック、モス、フレッシュネスバーガー、バーガーキングあたりでしかハンバーガーを食べないので、これが果たして一般に見て分厚いものなのかは分からない。これくらいの分厚さなら人類の大多数は頬張れるのかもしれないし、そもそもナイフとフォークでお上品に食べられることを想定されているのかもしれない。

まあそんなことはともかく、思い切って頬張ってみる。バンズが潰れ、たっぷりと挟み込まれたアボカドがハンバーガー惑星系から飛び出し、奇跡的に皿の上に着陸する。

うまい〜!!!!!!!!

カリッと焼かれたバンズは香ばしく、肉の油が染み込んでいてジューシー。ごろっとした粒の大きな肉は食べ応え十分で、フレッシュなレタスとトマトと抜群の相性だ。甘い玉ねぎもいい。

うますぎる。この肉肉しさは、焼肉と対等に勝負ができるだろう。ふらりと訪れたお店で、こんな満足が待っているなんて。手が汚れることも、時折アボカドが飛び出してしまうことも気にせず、むしゃむしゃと食べ続ける。

大満足で退店。腹一杯のまま、当初の予定通りコメダで本を読もうとするが、すぐに眠くなってしまう。ほとんど本も読まずにコーヒーを流し込んで、満ち足りた顔をして家に帰る。

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