連休の始まりということで、部屋の片付けを行う。崩壊間際の傾いた本棚から本を抜いて解体。裏側に溜まった埃を綺麗に拭き取る。頼んでおいた新しい本棚を組み立てて部屋の模様替えを……。
といきたいところだが、そんなに段取りは良くない。そもそも本棚を解体したのは全くの偶然だったのである。
いつ倒れてもおかしくないほど棚板の曲がった本棚だったが、とはいえそこに本を収納するほかなく、騙し騙し臭いものには蓋をする要領で凌いできた。その一番下に積まれたワンピースが埃をかぶっていたので、年末を理由にそれら漫画本を取り出して掃除を行う。
土台が軽くなったせいか、本棚の傾きがさらに大きくなる。そこからは一瞬だった。ミシミシと音を立てたかと思うと、組み立て家具特有の結合部から一気に倒れてしまう。文庫本が棚板の間に挟まれ、曲がったネジと木屑が床に散乱している。
今日がもし、連休の初日でなかったらひどく絶望していただろうと思う。しかし曲がりなりにも九連休の初日である。壊れた本棚を丁寧に解体するくらいの時間は十分にある。
とはいえ新しい本棚を導入しなければならない。IKEAで適当なものを見繕って注文すると、発送予定日は三が日より後。つまりは本を床置きしたまま、僕の部屋は2024年を終えることになる。
できれば年内に部屋の模様替えを完遂したいところだったが、こればかりは仕方がない。仕方がないとは言いつつ、どうして少し前に買っておかなかったのだと自分をなじる。年末年始の休みが、あの壊れかけの本棚に別れを告げるべき最適なタイミングであることは言うまでもない。
しかし、本棚が届くのがだいぶ先であることは思いのほか良いかもしれない。楽しみが先にあればあるほど、それまでの時間を長く感じることになるのだから。つまりはこの連休を長く持続させるために、僕の部屋は散らかったまま年を越すのである。
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