家族で淡路島に行く。二泊三日の旅行。
二日目に慶野松原という夕焼けの綺麗な海沿いのスポットに行く。素晴らしい天気で、青い空の下にゆったりと波打つ海が広がっている。時刻は十六時を少し過ぎた頃で、低い位置にある太陽がオレンジ色に光っている。広い海岸だったので、人の数は多いが、混み込みとした印象は受けない。家族連れやらカップルやらがそこらで時間を過ごしている。
どうやらここは結婚式の前撮りをするのに有名なスポットらしく、五、六組のカップルが数人の撮影隊とともに写真を撮っている。夫が奥さんを持ち上げていたり、小さなドローンが飛んでいたりして、その一団が結構近くに位置で密集しているのが面白い。場所の取り合いとかはあるのだろうか。前撮りにも松竹梅のプランとかがあって、「大型バスで他のカップルとともに撮影現場に行く」みたいな安いパッケージなんかがあったら面白いと思う。全てが妄想の中なのだけれど、その車内でボソボソと小さな声で会話するカップルなんかを撮れたらすごく良いなと思う。
波打ち際の動画を撮ろうとカメラを向けていたら、画面の外から兄弟らしき子供が祭囃子のような声を上げながら入ってくる画が撮れた。これが本当に良い。よちよちと走る二人の進みはゆっくりなのだが、それでも一回り大きな兄は弟と差をつけていき、途中で立ち止まり引き返す。その引き返す兄を戻りつつ追いかける弟が可愛らしく転ぶ瞬間は、「ぽちゃ」と音が聞こえるような愛らしさで満ちている。


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