その日はある劇団の稽古日で、記録撮影をするために朝から準備をしていた。 2月から6か月間、ずっと稽古場の様子を撮り続けているけれど、毎回発見があって楽しい現場。
でもこの日は、稽古中のふとした瞬間に東京のことを考えていた。 選挙権を持っていない東京都のことを。
稽古の休憩中に俳優と話す話題は選挙の動向について 「どうなるんやろうね」 「また4年これが続くのかな」 「そうじゃない……」
あまり撮影に集中できない自分にいらいらしながら稽古が終わり。 だらだらとその場で過ごしていたら20時になろうとしていた。
20時5分になり私はnewsアプリを開けると、速報で当確の情報が目に飛び込んできた。 それはショックでその場でnewsを読み上げて、俳優たちと共有した。怒りや悲しさの声が広がった。こんなにも周りが反応してくれることが嬉しい反面やるせなも感じる。
こんな気持ちの中家に帰ってご飯をつくる余裕はなく、マクドナルドをテイクアウトして家に帰る。その後、シェアハウスの同居人や友人と電話をしながら冷静に結果を振り返った。
newsで年代ごとの投票先が報じられていた。10、20代の票をもっとも多く集めた人 私は20代で、そこのズレを知ってもっと周りの人と政治の話はするべきだし、私自身の意思表明をもっと作品に出していかないとなと思った日。
追伸 東京って都道府県の一つではなく、一つの国みたいだなとたまに思う。 絶望を繰り返して、私はあなたと連帯するために写真を撮る。
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