菊川にある映画館Strangerへ。大学時代の友人とジョン・ヒューストンの『ゴングなき戦い』(原題はFat City)を見る。
落ちぶれたボクサーと、彼が見出した若手ボクサーの生活が交互に映し出されていく。まあ物語はどうでもいいっちゃどうでもいいのだが、素晴らしく面白い映画だった。
引きのショットは抜群に効いているし、ほとんどナンセンスに近い会話も面白い。転んだり物を落としたりするシーンに演技くささはないし、その画面がワンショットで撮られているのなんてほとんど奇跡みたいな熟練の技だ。
その中で、不味そうな肉と不味そうなグリーンピースを食べるシーンがある。男が女に食事を食べさせようとして、でも女はそれを拒絶し、しかしうだうだと口論を続けようとしたその関係性が逆転し「食べるな」「食べる」とあたかもすれ違うことが至上命題のごとく揉め続ける場面。皿を取り合いをしているうちにグリーンピースが床一面に飛び散る瞬間は痛快なのだが、そうしたあまりに食欲をそそらない食事の場面で、思わず腹が減ってしまった。
映画『ゴングなき戦い』の感想・レビュー[163件] | Filmarks
レビュー数:163件 / 平均スコア:★★★★4.1点
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