連日の猛暑は一向にその勢いが衰えない。不要不急の外出は避けるようにとテレビで注意喚起はされるものの、特に会社が休みになったりはしない。仕事をするのも危険を避けるのも自分のための行動だが両立は不可能、それが令和日本というステージだ。
そして仕事がはちゃめちゃに忙しい。人間忙しいうちが華だという言い回しがあるが、そういう意味なら私はハイビスカス狂い咲きみたいな状態になっている。忙しすぎて職場でも普通に態度が悪い、上司を上司とも思わぬ態度。指示を出す部長に対してうるせぇひっこんでろとか言ってしまいそうだ。制御不能のハイサイ超特急、今なら沖縄人でも定時5分前行動させる自信がある。
ふとSNSに目を向けてみればクソ暑いさなか、仲間と最高のバーベキューだの彼女と花火大会だの僕が生きる意味をnoteに記したいだのキラキラギラギラぐちょぐちょしている。みんなちょっと落ち着いてほしい。素敵な自分の瞬間を切り取って写真とテキストで表現したい、じゃないんだよ。そんなのはちっとも素敵じゃない。いや素敵じゃないはちょっと語弊があるか。
いいんだ、楽しい思い出を残しておきたいとか、その時の感情を表現したいとかそれはいい、大変結構である。問題なのはそれをホラ、あたしって素敵デショとぐいぐい見せつけてくるスタイルが悩ましいのだ。「10年来の友人と駅でバッタリ再会、これって奇跡だよネ、出会いって素敵やん」みたいな投稿にいいねが付きまくっているけれど、同じ生活圏で暮らしてりゃどんな大都市だろうと偶然出会うのは不思議でもなんでもないだろと思ってしまう。
──いけない、暑さと忙しさで心の余裕が無くなっている。
いいじゃないか、他人がどう楽しもうと自由だよ。暑さも忙しさも心のもちようで楽しくなるはずさ、夏を楽しむSNSももっと素直な気持ちで見守ろうぜ。
そう思って普段パチンコばっかりやってる知り合いのオッサンの投稿を確認すると大盛カツ丼最高とかゲームのボス強ぇとか朝まで酒飲んで記憶ねぇとか、たしか50近い歳なのに大学生みたいなわんぱくぶりをまざまざと見せつけられた。私がスラムダンクの安西先生ならまったく成長していないとショックを受けるところだが、この人はこれでいいんだよと思える安心感がある。こういうのでいいんだよ。
夏は暑いし仕事もある、こういうのでいいんだよ。仕事のミスがみつかった、こういうのでいいんだよ、いいですか、いいですよね。そう上司に報告してみたら4時間くらい怒られた。明日もあつくなりそうだ。
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