「今日は日曜日だ」と思い込むことから一日を始めた。 昨日は休暇を取っていたので二連休目。今日が終われば月曜日が来て、仕事に行かねばならないのだ、と。週末の終わりが目前に迫る憂鬱さをなるべくリアルに噛みしめる。 しかし、実際のところ今日は土曜日。のみならず、祝日の振替でなんと月曜も休みなのだ!一日休んだのにまだ三連休。1億使ってもまだ2億、みたい。富豪になった気分だ。
『女の園の星』で小林先生が「前週の日曜日に録画したサザエさんを土曜の夜に見て、実は明日も休みだというサプライズを自分に仕掛ける」といったことを話していたが、わたしもしばしばセルフサプライズを実施する。「あーあ、明日仕事やのに夜更かししてもたな」「明日寝不足でしんどいやろなあ」「……と思いきや?」「実は?」「明日は休みで〜〜す!」。 とんだ茶番である。しかしながら、休日前夜であることのよろこび、連休のうれしさ、働いている自分への労い、等々をあらためて実感することができ、わりと侮れない儀式なのだ。
今日は日曜日だ。でも本当はまだ土曜日で、明日も明後日も休みなんだよな。 こみ上げる幸福をいまいち我慢できず、セルフサプライズが成功したとは言いがたい状態のまま、なんとなくNetflixオリジナルドラマ『地面師たち』を見始めたら、あっという間に一日が溶けた。横行するマチズモ、滑稽なエロやえげつないグロには辟易したけれども、ストーリーがおもしろすぎて食い入るように見てしまう。ジャンクなエンタメであった。
と言いつつ、血がどばどば出たり人体が無惨につぶれたりするさまを見るのはあまり得意でなく、その都度ふかふかの子うさぎを眺めては気を逸らせた。 子うさぎは二週間前に我が家にやってきたばかりで、常軌を逸したかわいさをしている。グレーと白のまだら模様をしているのだが、胸元からおなかにかけては積もりたての粉雪のように真っ白で、「白って200色あんねんっていうけど、この子のおなかの色がきっと世界でいちばん綺麗な白色やわ」と、おおまじめに考えたくらいである。
実際、子うさぎがやってきてからというもの、憂鬱な週末の終わりも平日の夜も幸せに満ちあふれている。頭をこりこりなでると心地良さそうに目を細めるさまを眺めながら、こんな子がうちに来てくれたなんて夢みたいだねえ、と声が漏れた。 すでに数ある異名のうちのひとつは、ぽんぽんしろこちゃん。
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