右手の鈍い痛みで目が覚めた。昨日お味噌汁を食卓に出そうとして右手のひらにこぼしてしまったので、軽くやけどしたらしい。真夜中、いつもより3時間早めに起きる。このところ、毎日9時間近く寝てしまった。たまには寝不足の日もあっていいと思い、今日の原稿を書く。
XやInstagramで発信している「日々の詩」は、できるだけ営業日に書いている。意識的に毎朝同じ時間に書くけれど、自分自身ではどうしてこの詩を書いたのかがいつまでたってもわからない。
14歳年上の夫が仕事で茨城県北に行き、明日の朝まで帰ってこないという。夫婦二人で在宅仕事をしているせいか、わたしたちは離れ離れになることが少ない。一人の夜の過ごし方を、今から考える。
日曜日の午前0時にはApplemusicのチルミックスが更新される。日曜日の楽しみでもある。毎日午後6時ごろ寝て午前2時には起きて意識的に原稿を書く。日曜日はわたしだけにカスタマイズされたプレイリストで今週をふりかえることはいいことなのかもしれない。寝不足の身にはよい栄養が心にも体にも必要なので、ジェーン・スー著『おつかれ、今日の私。』マガジンハウスと、今日のイベントの入場券のティアズマガジン149を読む。
真夜中に目が覚めてしまって寝不足なのは今に始まったことではなく、時々疲れたときに起こる。感覚が開いているのだな、と思う。感覚は閉じたり開いたりする。感覚が開いている時はうまく眠れないし、どんどん詩を書きたい時だったりする。そんな日には真夜中に料理を作る。以前住んでいたマンションは壁が薄くて、真夜中の料理に不向きだった。今は木造の一軒家に越して来たので、真夜中の料理もできる。今は右手が不自由なので、ひき肉を炒めただけのキーマカレーを作る。真夜中の台所においしそうなスパイスの香りが広がる。
コーヒーを飲み、読書を終えたら二度寝をしてしまう。コーヒーを飲んで眠れるのだから相当疲れていたのだろう。起きたら夫も起きていて、コーヒーのよい香りが夫の仕事部屋からただよう。朗らかなおはようを聞き、わたしの朝が始まる。
タスクリストをノーションで作り、今日のスケジュールをタイムツリーで確認。日が昇ってきたら仕事部屋のローテーブルを自分の部屋から居間に移す。昨日買った無印の黒のボトムスに、チチカカの麻の赤いワンピースを着る。
朝食はキムチ納豆、稲城の梨、梅白湯、ひじきと大豆の煮もの、ごはん、ヨーグルト、豆腐とわかめの味噌汁、低脂肪乳、豆から挽いたコーヒー、ゆで卵。夫が朝食をコーヒーだけで済ませる人のためだいぶ楽です。稲城の梨は大ぶりなので二人して食べる。梅白湯ははちみつ梅を使ってみたらおいしくできた。
仕事のメールを作成し、タスクをこなす。今日はくもりがかった空で、鳥たちがよく歌う。一通り原稿やメールを済ませたので、3回目の眠り。このところ暑くて隙間すきまで寝ないと体がもたない。次の原稿の発表は昼前。鳥のさえずりを聞きつつ、隙間時間で寝て夫を送り出す。今日の業務ログを手帳に書き始める。
夫とのメッセージアプリでは関西弁の猫のスタンプを送る。東京生まれで東京育ちのわたしには特殊な方言がない。東京なまりのようなものがあるけど、関西弁特有の「せやねん」「おおきに」「ええねん」「よろしゅー」の少し抜けた感じが好きだ。最近わたしがはまっているBLのドラマの主役が京都弁を話す設定なので、夫は密かに悩んでいたらしい。乙女な人である。
ベリーショートの頭を洗って原稿の続きを書く。隙間時間で寝る。Instagramの日時指定投稿の下書きを書く。普段は夫が家にいて当たり前なので、心細い。わたしが外出している時の夫は、孤独に慣れてしまった人だ。二人でどこか旅行でも、というスケジュールの合わせ方をしようとしてもできない。フリーランス夫婦……。
今日まで執筆したエッセイを読み、スマホのカメラロールを見る。たいしたことない日常ばかりなのに、そのどれもが夫や家族や友人や仕事仲間と過ごした時間だ。慣れて行かなきゃと思う。
仕事場の裏手には図書館があるので借りた本を返す。業務連絡のラインや、単に不安定な天気の時にイベントに行かなければいけない自分を鼓舞するために友人に連絡をする。
ランチはごはん、漬物、ゆで卵。早めにランチを取ったら勝手に今日のコミティアがわたしのなかで盛り上がってきた。コミティアにわたしの詩集のイラスト・デザインを手掛けてくれた河原奈苗さんが出店するのだ。東京ビックサイトには初めて行く。12月の文学フリマ東京の下見ということもある。大井町線に乗って大井町からりんかい線で行くフリー切符が売られているという情報を夫が教えてくれていた。行こう行こうと盛り上がっている最中で、雷が落ちてきそうな不安定な天候になる。ゲリラ豪雨が近づくと頭痛が激しくなる。体調不良になったらイベントどころではない。持病の薬を飲み、ゴロゴロとなる天気をやり過ごす。雨の間を避けて原稿をアップして雨具や靴の準備をし、出発。首まで湿気で首を絞められているようで、バス停でやっとの思いでバスに乗って電車で大井町まで行く。大井町からりんかい線に乗ってみると、少しずつ気分が晴れてきた。いざついたビッグサイトはばきばきの晴れ! 文学フリマの打ち上げによさそうなレストランを物色し、コミティアの会場に入る。待機列などはなく、お昼過ぎは広すぎて迷ったが奈苗さんのブースについた。無料配布のチラシが役立ちそうなこと、出店ブースが多すぎてその場で決められないので、事前にカタログで寄りたかったサークルを見つけておくこと、BGMが流れるのが発見だった。奈苗さんと少し話し、新作を買って帰る。
自宅近くのバス停まで来た時、自宅周辺に黒く重たい雲がかかっていることがわかった。同じ地域でもわたしの自宅がある地域だけ。なんてことだ! ぐったりしている同じバスに乗った子どもたちを見やりながら、わたしの消極的な気持ちも、吐き気も頭痛も、この雲と低気圧が原因だったようだ。イベントには健康体でいたい。しばらくしてお風呂を入れ、キーマカレーを食べて夫に連絡をし、眠る。
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