ランチに近所のチュニジア料理屋に行く。クスクスのお店。店内に入ると英語で話しかけられてびっくりしてしまう。ドギマギしながらも、ちょっと声を張って笑顔で応答する。
一緒に行った同僚に「外回り中に喫茶店でサボりたい」という話をする。名古屋のとかの喫茶店で、早く終わった打ち合わせの後、本を読んだりして時間を潰してみたい。それはおそらくありきたりなシチュエーションを再現してみたいという僕の俗っぽい欲望の一つなのだが、話をしているうちにどうやら我々は「サボる経験」が欠如していることに行き当たる。そしてその遠因が「高校時代に電車通学であったこと」なのではないかという推論が生まれる。
通学中、ちょっとだるいなーと思って、降りるべき駅で降りないこと。電車通学の僕たちには、そうした「ひとつの判断が決定的な遅延を招く」経験ができなかった。自転車で通学をしていると、曲がるべき道を直進したとして、簡単に引き返すことができる。サボりたい気持ちはその「復帰可能性」によって持続的に非難され続け、根負けして定刻通りに到着してしまう。
料理が運ばれてくる。
前菜はフムス(豆のディップ)、タジン(チュニジア風キッシュ)、パン、ピクルス。
特にフムスはこれまであまり食べたことのない味で、異国の母の味のような——とまあ上手く形容できない。感覚的には、ひじきの煮物を食べている感じ(味自体は全然違う)。めっちゃハマる!という感じではないが、食べ進めていくうちにクセになっていく。

続いてクスクス。僕が頼んだのはタコのクスクスで、極小のパスタに旨みがたっぷりと染み込んでいる。スパイシーなソースが別添えになっていて、時折かけて食べる。より味が濃厚になって美味い。時間をおいてじんわりと効いてくるような辛さがクセになる。

最後にあたたかいミントティーが提供される。ほんのり甘くて美味しい。
異国情緒があって、とても満足なランチだった。ただ、どう考えても労働最中のランチではない。休日の贅沢な昼ごはんである。それが午後の活力を生むかというと——まあ、そんなわけもない。


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