今朝はソファで起きた。昨晩パートナーとケンカしたためだが、前日もろくに寝ていないせいで体力は回復しないし、昨晩のことを思い出して機嫌が良くない。基本的に機嫌が良い人間だと自負しているので、こういう時はどうしたものかと悩んでしまう。ウジウジ考えるのは更に良くないと思いつつ悩む。そもそも昨日のケンカも機嫌の良し悪しが原因だった。私は調子がイマイチなときに機嫌悪いねって指摘されると無性に腹が立つ。私は本来機嫌が良い人間なのに、私よりも機嫌に忠実に振り回されているはずの誰かにそんなこと指摘されたくないのだ。
「本来機嫌が良い人間なのに。」 不満げな気持ちで仕事をこなしていると、ふと1つのアイデアを発明した。 「帰りに山内マリコさんの新刊を買おう!いつもはブックオフで数百円の文庫本を買うけど、新刊のハードカバーを買ってやろう。」我ながら完璧に近い贅沢な気がする。(ちょうど良さそうと言う意味で完璧!)
帰り道、会社を出て真っ直ぐ本屋に立ち寄る。検索機で在庫を確認すると「◎」。「マリリン・トールド・ミー」の表紙を手に取る。もはや機嫌は治っている。 だがしかし…レジのお姉さんの機嫌(或いは体調)が尋常でなく悪い。治りかけていた機嫌がズルズルと引きずり降ろされるレベルである。胸には「研修中」の文字。試用期間の立場でここまで機嫌が悪いとは、相当不幸な目にあったのではないか?隣のレジの先輩は気付いてないのか?思いを巡らせている内、何故かまたモヤモヤした気持ちに逆戻りである。
「完璧な発明だと思ったのに」 八つ当たり的な気持ちで最寄り駅に到着する。見慣れた帰り道を歩いていると、「サービス花束300円」の看板が目に留まる。この街に住んで以来、何度か買って帰ろうと立ち止まっては、声を掛けられずにいたお花屋さん。そういえば、この前読んだ山内さんのエッセイに花を買うことの素晴らしさが記されていた。内容は確か、リフレッシュのためにすぐ模様替えをしたくなる性分だけど、頻繁にしていると時間ばかり取られて返って疲弊してしまう。そんな時は花を買って生ける。それだけで部屋の表情はガラリと変わるのだと。(なんて文化的!しかも仲直りにピッタリ!) せっかくだし名前のわからない方を買うか。「こっちの黄色と紫のやつください。」紆余曲折あったが、結局は山内さんが私の機嫌を解いてくれた。
−私に必要な贅沢は300円なんだな。
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