4
2024年9月4日

【運営の日記】『分析美学入門』を読む

夜、友人たちと行っている読書会に参加する。読んでいる本はロバート・ステッカーの『分析美学入門』。

今日は「<美的なもの>について」という章を読んでいく。自然を見て美しいと思う感情と、詩を読んで美しいと思う感情の双方を統一的に語ることのできる理論を構築するのが大目的で、色々な説を紹介しながらその利点と問題点を詳らかにしていく。

僕にとってなんやかんやで面白いのは、やっぱりカントの議論だなあ、と思う。「美的判断は主観的普遍妥当性を要求する」というキーフレーズがあって、これは「Aを美しいと思うことは個々の主観的な判断である。けれども他の人も同様の判断をすると要求する」というなかなかねじ曲がった論理だ。

美の出所を主体に設定する立場において、こんなにも普遍性に近づける議論が展開できるのはすごい。昔読んだ時は、こんなのカントのこじつけだと思ったが、今読み返してみるとなかなか実感を伴った議論だと思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました