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2024年10月9日

【運営の日記】モッツァレラの本当の味を知らない

近くのスーパーで北海道フェアがやっていたので、人生で初めてモッツァレラチーズを買った。

とまあ、これは一週間前の話。そのとき一緒に買ったサッポロクラシック(×6本)は残り二本になってしまっている。そう、そろそろ本腰を入れてモッツァレラを消費しなければならない。

消費、と考えてしまうのが虚しい。だって僕はこのチーズを、ウキウキの気持ちで購入したのだから。生ハムと合わせようか。やはりここはトマトとバジルか。ちょっと変化をつけて桃とかイチジクとかと一緒にサラダにするのも悪くない。

そんな想像をまくしたてていたのは遠い昔。ちょっと疲れて思考停止気味の僕は、こいつをトマトソースのパスタにぶち込むくらいしか思い浮かばない。

というわけで、若干ネガティブな気持ちのままモッツァレラを使って調理開始。いつも通りトマトソースを作り、茹でたパスタの麺をフライパンに入れる。前もって角切りにしていたモッツァレラを加え、溶けるまでしばらく待つ。

完成。とろとろのチーズが麺に絡み、とても美味しそうだ。ネガティブな気持ちはどこへやら、伸びるチーズを見てテンションが上がるくらいの純朴さはいまだ持ち合わせていたようだ。

なんとなく、答え合わせのつもりでモッツァレラを使ったパスタの作り方を紹介しているYouTubeを見る。するとシェフが「モッツァレラは温めすぎちゃダメですよ」と言う。まるでこれがこの料理のポイントであるかのように。「余熱で溶かすんです。溶け切っていないなあ、と思えるくらいの加減がベスト。くれぐれもフライパンの中でトロトロにしてはいけませんよ」

改めて自分の作ったパスタを見る。トロトロのチーズが、麺と麺の隙間にびっしりと詰まっている。それに完全に溶け切ってしまったチーズがトマトソースと混じり合い、半ばクリームソースのようにもなっている。

これは失敗なのか? せっかく買ったモッツァレラを、僕はダメにしてしまったのか?

YouTubeを閉じ、一口食べてみる。

普通に美味しい。いや全然トロットロのチーズにネガティブな要素なんてない。クリーミーなトマトソースはいつもより優しい味で、一体これの何がダメなんだ、と思う。とはいえもっと美味しくモッツァレラを味わう方法があったのならば、やはりこれは機会損失なのだろう。モッツァレラの本当の味を、僕はまだ知ることができない。

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