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2025年4月14日

【運営の日記】誠実に生きる

数日前に祖父が亡くなったので、その葬式へ。

式場に飾られた遺影はスーツを着て背景に花が飾られていたが、合成写真であるらしい。母も当日はじめてその写真を見たというが、出来栄えには満足していたので良かった。

葬儀場で働くには、ちょっと他の仕事とは比べ物にならないくらいのマナーが要求されるのだろう。そんじゃそこらのお辞儀とはレベルの違うシャキッとした敬礼を見て、プロフェッショナルとは何であるのか思いを馳せる。

「誠実に働いてきた」という理由で、戒名には「誠」の字がつけられることになった。喪主である叔父は、一家のお墓の写真を確認し、被りがないように色々と調べたのだという。ただ面白いのは、その子供である母と叔父が、祖父の仕事をぼんやりとしか把握していなかったことだ。食品卸の会社で働いていたというが、何をやっていたのかはよくわからないらしい。

葬儀を終えて、火葬場へ。式場の人が手配してくれたタクシーに乗り込む。人が亡くなって、それを悼む行為は、やっぱり多くの人間が関わる大きなプロジェクトである。その進行をディレクションする仕事というのもおそらくはあって、それを式場の人がやってくれているのだろう。

葬式というのはじっと待っている時間がかなりある。その待ち時間に、ふと祖父の声が聞こえてくるような感じがあった。その声と遺影の姿を照らし合わせて、それがもはや記憶から引き出した想像にすぎないことを納得するとき、確かにこの人はもう生きていないんだな、と寂しい気持ちになる。

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