昼ごはんを買いにやってきたファミリーマートで、ザクザクポテト(仮)のようなホットスナックが売っていることに気がつく。螺旋みたいな溝のついたポテトで、外がガリっと強めに揚げられている様子。
普段はレジ横のホットスナックコーナーにそそられたりしないが、なぜだがやけに心を惹かれる。しかし手に持ったカレーは550円するし、コンビニで700円以上もかけて昼ごはんを食べるのはアホくさいので踏みとどまる。後ろ髪を引かれる思いで店を出て、真面目に仕事をこなしているとポテトへの誘惑はいつの間にやら消えていた。
帰り道、冷蔵庫に食材を追加しようとスーパーに立ち寄る。必要な食材(キャベツ・小松菜・飲料水)にプラスして、ちょっと冒険的な食材(パプリカ・インゲン)をカゴに入れ列に並んでいると、棚に陳列されたポテトチップスがやけに気になってしまう。
ザクザクポテト(仮)のことが無意識のうちに気になっていたのだろう。いつもは大して心惹かれないスナックの類が、今日は無性に魅力的なものとして僕の目に映る。なかなか進まない列にムカムカしていると、気がつけばポテトチップスが一袋カゴの中に入っている。
家に帰り、ザクザクポテト(仮)は結局どんな名前の商品であるか調べてみるが、奇妙なまでに検索にヒットしない。もしかするとあのホットスナックは、僕のポテトへの欲望が作り出した幻影であったのかもしれない。
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