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2024年5月14日

洗濯物との格闘は終わらない

洗濯機がガタガタと回る音で目が覚める。普段はあまり平日に洗濯をすることはないのだが、珍しく土日に予定が詰まっていたので前日から仕込んでおいたのだ。

朝起きてから洗濯機を回そうと思うと、どうしても自分に甘さが出るというか、「まあ明日でいいか」を無限に繰り返してしまう。しかし僕が所持しているパンツは全て洗濯機の中で洗われる日を待っているのであって、綺麗な下着に履き替えて一日を終えるためにも、必ずや洗濯をしなければならない。

ちょっと前、意気込んで前日に洗濯の予約をしたら、翌日が雨で泣く泣く部屋干しをした記憶が蘇る。しかしカーテンの隙間から差し込む光はカラッと晴れていて、どうやらその心配も杞憂に終わったようだ。昨日は一日中ずっと雨だったのでちょっと不安だったが、天気予報は僕を裏切らずにその役目を全うしてくれたらしい。

ともあれ、朝の短い時間に洗濯物を干さなければならない。日記を書き、味噌汁を作って食べ、コーヒーを淹れる(これが最近のルーティーンである)時間も考慮すると、あまり時間がない。ベッドで過ごす無為な時間を早々と切り上げ、パソコンを開いて日記を書き始める。

しかしなかなかどうしてうまく書くことができない。書くべき内容が定まっていないのか、それともまだ頭が覚醒していないのかはわからないが、一文一文が収まるべきところに収まってくれないような感じがある。十分くらい格闘したのち、気分転換に洗濯物を干す作業に移る。機械的に手を動かしながら、書くべき内容を整理すればまあ何とかなるだろう。薄暗い部屋をノロノロと歩き、うっすらと埃の積もった洗濯機の蓋を開ける。

ジーンズやシャツが渦のように絡まり合ったその中に、白い破片がちらほらと見えた。

一度蓋を閉じ、心を落ち着かせるべく深く息をする。「やった」と思う。やっちまった。どうして時間のない日に限って、僕はこんなミスを犯してしまうのか。

再度蓋を開け、現実を直視する。白い破片。それは激流に揉まれ、ボロボロに引き裂かれたティッシュの破片である。成形される前のように繊維がニョロニョロと伸びた紙の残骸が、衣服のあちこちに張り付いている。

チラと時計を見ると、家を出るまであと50分あまり。一時間に満たないこの自由な時間を、洗濯物との格闘に費やさなければならないことを知り、ひどく落胆する。

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