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2024年6月18日

運営の日記

23時過ぎに電気を消す。本を読みながら眠気を限界まで引き出したから、ほとんど気絶するかのように一瞬で眠れるはず。

ブーン。

耳ざわりな音が鳴る。細かい羽音が僕の耳元を撫でるように響き、朧げだった意識がたちまち臨戦体制に入る。蚊だ。

暗闇の中、息を潜めて奴の気配を窺う。しかし気配をチラと示した飛行物体は、すぐにその姿を消してしまう。一週間ほど前、身体の痒みで目を覚ました嫌な記憶が蘇る。膝、肘、踝と、あの時は刺されたくない箇所を狙ったように刺してきて、結局その夜はよく眠れず翌朝がしんどかった。

寝巻きの半ズボンで剥き出しになった脛あたりに、小さな何かが触れたような感触。枕から頭をあげ、感覚を頼りに掌で叩いてみるも、何かを捉えたような実感はない。まるで僕を嘲笑っているかのようだ。

諦めて眠りにつこうと思うが、一度開戦の合図が切られてしまった以上、もうかつての眠気はどこかに消えてしまっている。ちょっとした失望とともに電気をつけ、再び読書に戻ろうと枕元の本を手に取ると、その視線の先に、小さな黒い染みが壁に張り付いているのが見える。

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