ちごのそらねさんの日記

文章は、なんでもを「本当」にすることができるとわたしは思う。 例えば、たった今クジラに呑み込まれました！とここに書いてしまえば、この文章においてわたしはクジラに呑み込まれたことになるからである。事実かどうかはさておき、何もかもを真実にしてしまう力を持つ｢言葉｣というものが、わたしは好きだ。

今日もわたしは、寝る前に恋人と他愛もない話をする。 一日を生きて起こった出来事や感じたこと、好きな音楽のこと、打って変わって将来の夢のこと。そんな話をする中で、わたしはいつも様々な場所へ出かけるのである。君が君の大学の話をするならわたしも共に授業を受けることなるし、宇宙天体の話をするならわたしはその時無重力空間を漂うことになる。本日 6月23日は君の好きな歌についての話をしたから、我々は音楽の街へ出向くことになった。商店街には大量の和音が並び、わたしはその中でももっとも輝いて見えたひとつを手に取った。そしてあまりの響きの良さについ購入してしまったそれを炭酸水の中に放りこめば、さも美味い和音ソーダの出来上がりである。今日もわたしのお腹はそのソーダで満たされてしまった。

そんなこんなで街で遊んでいたら今日が昨日と化してしまい、わたしたちは布団に帰ってきた。もう眠りにつく時間である。言葉のおもしろさを知るには十分すぎる今日だったのだなあ。 おやすみなさい、良い夢を。と、この日記を書きながらわたしは、今日のことをいつかきっと歌にしよう、などと考えるのだ。