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2024年9月14日

【運営の日記】京都は遠さを許さない

仕事が終わり、帰りの電車でダラダラとスマホを見ているとLINEにメッセージが届く。高校の同級生で今は京都に住んでいる友人からの、今から飲もうとの誘い。

驚いたのは、その誘いの場所がまさしく今僕が通り過ぎようとしている駅だったことだ。連絡があってから一分、比喩的にいえばほとんど秒速で待ち合わせ場所に到着してしまう。諸々の移動合わせて、集合まで10分弱。京都にいるときですらこんなにスピーディーに集合できたためしはない。なんなら彼の住むマンションの下で、「ちょっと待って」と言われながら10分くらい待った記憶もある。

東京で誰かと飲もう、となったらやっぱり都心の方にわざわざ繰り出すほかなく、どんなに楽しみな予定であってもどこか億劫さがつきまとう。その難しさを経験すればするほど、京都というあの小さな街に言いようもない郷愁を覚えるのだが、まさかこの東京であの「近さ」を疑似体験できるとは思わなかった。「今から飲もうや」と言ったら三十分後には店に集合している(けれども一人は必ず遅れている)あの感覚を思い出し、ちょっと愉快な気持ちになる。

友人は出張で東京に来ていたのだという。とはいえこの待ち合わせは、やはり京都を介さなければ成り立たなかったものだ。京都は遠さを許さない。

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