7
2025年6月7日

【運営の日記】アードベッグとはねえ

コリドー街のタイ料理屋で、大学時代の友人二人と会う。

ところで、その前段階の仕事が思った以上に終わらず、待ち合わせ時間に三十分くらい遅刻してしまう。職場はそれなりに近い距離にあるが——一緒にオフィスを出た職場の先輩の「タクシー一択でしょ」という言葉に唆され、近づいてくるタクシーを止めてしまう。けれども道が結構混んでいて、電車に乗るのとあまり変わらないくらいの時間が掛かる。

金曜夜のコリドー街は、いわゆる「華金」の代名詞ともいうべき活況。同世代から少し上くらいのいかにも「仕事のできる」男女が、ハリのある声で何やら喋っている。

入店し、まずは遅刻したことを謝罪。学会のために東京にやってきた博士課程の同期と、先週も一緒に映画を見た東京で働く同期と会う。昔、人の家で餃子パーティをした思い出話をしながら、でも今東京にいる人って案外少ないね、なんて話をしたりしていると、ふと友人が「思い出話ではなく、未来の話をしよう」とつぶやく。

確かにね。おっさんは思い出話ばかりしているが、それを今現在進行形で体験しているのだと思うと、なんともやりきれないような気持ちになる。が、じゃあ昔はなんの話をしていたのだろう?

二件目に、友人の知り合いがやっているバーに行く。友人の母親の知り合いだということで、彼を赤ん坊の頃から知っているのだという。なんだか小学生の頃、友達の家に遊びに行くときの微妙な緊張感を思い出すような気分になる。

そこで、その友人がアードベッグのハイボールを頼むと、店主が「あの◯◯君がアードベッグとはねえ」と感慨深そうにつぶやく。何に影響されたのか、僕も「アードベッグとはねえ」と思う。一口もらったそのハイボールは、なんだかかみごたえのあるような味がした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました