同僚が夕ご飯を食べにルノワールに行くという日記を書いたら、その日記を読んだらしく報告をくれる。
「でも」ちょっと不満そうに彼女はいう。「せっかく日記に書いてくれたのは嬉しいけれど、誤字があった」
仕事終わりに同僚が「今日は外食をしちゃおう」と言うので、どこに行くのか聞くとルノワールでミネステローネを食べるという。
ミネステローネ。正しくはミネストローネ。指摘されても、これが誤字であることがすぐに了解できない。これまでの人生、僕はあのトマトスープをミネステローネだと信じて疑わなかったのだ。
しかし心当たりはある。あの日記を書いたとき、ミネステローネとかいてもカタカナにうまく変換されず、「嶺ステローね」と表示されてしまったのだ。それほどまでにこのスープは市民権を得ていないのかと訝しむも、自分が間違えている可能性など一切考慮しなかった傲慢さを改めて思う。
「イタリア語だったら発音はミネステローネなのかもしれないね」とフォローをもらうが、自らの間違いを棚に上げて悪びれずイタリアかぶれを押し出すのが悪手であることはわかっている。これ以上無知を重ねるわけにはいかない。
冷蔵庫に野菜もあるし、今晩は嶺ステローねを作ってみようかしら。
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